・最近よく聞くパーマネントトラベラーってどんな生き方なの?
・パーマネントトラベラーとして生きるにはどうしたらいいの?
そんな悩みをお持ちの方にお答えしていきます。
◆パーマネント・トラベラー(permanent traveler)
とは
「パーペッチュアル・トラベラー(perpetual traveler)」とも言われますが、
「永遠の旅行者」と言う意味を持ち、各国で非居住者とみなされる滞在期間だけ滞在し、税金を国家へ合法的に払わない、もしくは納税する税金を最小にするライフスタイルのこと
と定義されています。
つまり非居住者として扱われる期間、数カ国への滞在を繰り返す節税方法ということですね。
日本の非居住者となる場合、所得税や住民税、相続税や固定資産税、社会保険料などは日本の税率に依存しなくなります。
◆パーマネントトラベラーの生き方
まず、パーマネントトラベラーになるためにはファイブフラッグ理論(Five Flag Theory)を実践する必要があります。
ファイブフラッグ理論とは、次の5つの項目によって国を使い分ける考えのことです。
- 国籍(市民権)のある国
- 住所のある国
- ビジネスを行う国
- 資産運用を行う国
- 余暇を過ごす国
世界には200以上の国があります。人それぞれ魅力的に映る国も違うので、国籍を持つのに有利な国、住むのに心地がいい国、資産運用のしやすい国は異なるはずですよね。
またライフステージに合わせて住む国を変えることがでれば、より理想とする生活が送れるのではないでしょうか。
それでは上の5項目について、日本を例に入れて1つずつ詳しく見ていきましょう。
1.国籍(市民権)のある国
ほとんどの人は日本の国籍を持ち、日本パスポートを所持していると思います。
日本のパスポートは、190の国にVISAなしで入国ができる世界トップの信用度を持っています。一方、アメリカは5位の185 か国、中国は71位の74か国、107位には30か国でアフガニスタンです。
参照:世界パスポートランキング
日本のパスポートは非常に権力の強いものだと感心しますね。
2.住所のある国
日本では分譲一戸建てやマンションなどの資産を所有すると、固定資産税や不動産所得税、相続税を納める必要があります。
ほとんどの国でも固定資産税を課していますが、中東のUAEやクウェートなど非課税の国もあります。また中国、シンガポール、カナダ、オーストラリアでは相続税を課していません。
3.ビジネスを行う国
世界銀行の2019年度「ビジネス環境の現状に関する報告書」で、日本は各国ビジネスランキングで39位という評価でした。
この報告書は、世界190カ国を対象にビジネスに関わる10項目をランキング形式でまとめたもので、日本は「起業のしやすさ」という項目では93位、「資金調達」85位、「税制」は97位と低評価です。
他国との比較で日本での起業のハードルの高さが伺えますよね。
一方、1位から3位はニュージーランド、シンガポール、デンマークという結果でした。
参照:ビジネスしやすい国ランキング
起業のみにかかわらず、ビジネスをしていく上で制度が整っているか、考慮する必要があります。
4.資産運用を行う国
日本では累進課税制が取られているので、稼げば稼ぐほど税収は上がっていく仕組みです。しかし、いわゆるタックスヘイブンと言われる所得税や法人税など、税率が極端に低い国や地域で資金運用をすると租税回避ができます。
日本では属地主義を取っているので、日本国内で稼いだ分には税金が課せられますが、国外で稼いだ分においては稼いだ国の税制に左右されることになります。
5.余暇を過ごす国
物価を重視するのであれば治安も良く一年中温暖なタイやマレーシア、非日常であれば海の綺麗なリゾート地、もちろん慣れ親しんだ母国でもいいかもしれません。
これらの5つの項目を洗い出していくと、何を重視するのかによってどこの国を選ぶのかが変わってくることが明確になったと思います。
すべて違う国を選ぶ必要はありませんが、パーマネントトラベラーになることで税金対策もできてしまう上に、働く国も時間も選ばない究極の自由生活を手にいれられるということです。

◆パーマネントトラベラーの生き方:デメリット編
いいことばかりのように見えますが、どんなデメリットがあるのでしょうか?
1.いざとなったときの対応言語
盗難にあった、病気になってしまったなど、自分の力ではどうしようもなくなったときに対処できる、最低限の言語能力は必要になるはずです。
英語を実用的に話す人口は70億人のうち17.5億人(母国語とする人口はおよそ3.9億人)と言われているので、英語である程度の状況や症状が説明できるといいでしょう。
ただ、英語は単語や簡単なフレーズを覚えておけば対処できます。
下記の一覧を見ていくつか記憶しておきましょう!
2.日本の住人としてのサービスは利用できない
国籍は日本のままなので日本人として生活することになりますが、国内に住所がある、もしくは、国内に1年以上居所がある場合、住居者と認識されてしまいます。
非住居者になるには、役所で住民票を抜いてもらい、自分が日本に住んでいないという証明を役所に届け出る必要があります。
たとえ日本に住民票がなくても、実質的な生活の本拠が日本国内にあると判定されると、居住者に該当し、通常の納税義務が発生してしまいます。 あくまでも国が判断するようです。
参照:住居者・非住居者の設定
住民票を抜くということは、居住権がないので住民税、国民健康保険の保険料、国民年金の納税義務が免除されます。しかしながら、税金を納めた人が使用できる権利を非居住者は受けることができません。
税金を免除されている分、医者にかかった際は、治療費の負担が10割となります。

3.それなりの下準備が必要
国によってルールも異なるため下調べと準備は必須です。例えば非居住者に関して、日本では「国内に住所が無く、国内に1年以上居所が無い者」とされていますが、
インドのように
「4/1~3/31」にインドに182日以上滞在していない者。更に、その期間にインドに60日以上滞在し、かつ過去4年間のインド滞在期間が通算して365日以上無い者。
と細かい規定がある国もあります。
基本的に180日周期で考えておくのがいいと思いますが、複数の国をピックアップして調べることをお勧めします。
参照:国ごとの税制
- パーマネントトラベラーは1カ国に依存することなく、各国のメリットをうまく使い分けることで節税をし、自由に生活をしていけると言えるのではないでしょうか。
- 自由の対価として多少のリスクもありますが、まずはファイブフラッグ理論を使って、行きたい国をピックアップしてみるのがいいかもしれませんね!